
京都市内の肉販売店が、褐色に変色した牛肉に白色粉末をふりかけ、色を戻す不適切な処理を行っているとの内部告発が讀賣テレビ報道局にあり、白色粉末の検出とその成分特定について、テレビ局と共同調査をおこなったときのものです。
実際に、変色した肉に、アスコルビン酸塩を振りかけたときにどのような色の変化が起きるかを、実験した例を挙げておきます(右の写真:クリックで拡大)。左が鮮度が低下して変色してしまった状態のお肉、右がその状態の肉に、アスコルビン酸塩を振りかけたときの状態です。鮮やかな赤色に色が回復しているのがわかります。[分析方法]:内径5mm、長さ20mmのガラス管をサンプル表面につきたて、サンプリングスポットとした。これに10mMEDTA-2Na(*1)を500μlいれ、ピペッティングをおこない、食肉表面に付着する成分を溶かし出した。これを0.2μmPTFEフィルターでろ過をしたものを分析試料とし、紫外吸光光度計付き高速液体クロマトグラフにてアスコルビン酸の有無を確認した。
依頼試料の白色粉末はペーパークロマト法を実施したところ、3つのスポットを示しました。(右写真:クリックで拡大)。それぞれのスポットより得られたRf値は0.71、0.34、0.17で、これは標準物質としてポリリン酸ナトリウムを展開させた場合に得られたRf値、オルトリン酸0.71、ピロリン酸0.34、トリポリリン酸0.17と同じであることが確認されました。[分析方法]
保持層:ペーパークロマト用濾紙東洋濾紙クロマトグラフィー用フィルター濾紙
展開溶液:イソプロピルアルコール / TCA / アンモニア水
展開時間:8時間
白色粉末を光学顕微鏡で観察すると、グルタミン酸塩とみられる針状結晶が複数確認されました。[分析方法]
内径5mm、長さ20mmのガラス管をサンプル表面につきたて、サンプリングスポットとした。これに10mMEDTA-2Naを500μlいれ、ピペッティングをおこない、食肉表面に付着する成分を溶かし出した。これを分析試料とし、RQフレックス(簡易型反射式光度計「RQフレックス (MERCK製)」)にてグルタミン酸の有無および含有量を確認した。
[分析方法]
内径5mm、長さ20mmのガラス管をサンプル表面につきたて、サンプリングスポットとした。これに蒸留水を30μlいれ、ピペッティングをおこない、食肉表面に付着する成分を溶かし出した。これを検液とし、光学顕微鏡にて検鏡をおこなった。でんぷんの確認はヨウ素液による着色を直接検鏡することでおこなった。
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