はじめに
輸入食品が回避しにくい問題として、到着までに時間がかかるという点です。野作物に含まれるビタミンCは時間の経過により徐々に含有量が下がっていく特徴があります。ここでは、ビタミンCの代表格として扱われるレモンについて輸入と国産の比較を行った結果をまとめています。
- 農民連食品分析センターで1997年2月25日に分析終了し、発表した結果です。
- インドフェノール法による分析結果になります。
結果
単位はmg/100gとなります。
| 産地 | 購入先 | 部位 | 還元型ビタミンC | 酸化型ビタミンC | 総ビタミンC |
|---|---|---|---|---|---|
| 外国 | ダイエー | 全果 | 61.1 | 0 | 62.1 |
| 果汁 | 35.4 | 0 | 35.4 | ||
| アメリカ カリフォルニア | ダイエー | 全果 | 76.3 | 0 | 76.3 |
| 果汁 | 48.6 | 0 | 48.6 | ||
| アメリカ カリフォルニア | ダイエー | 全果 | 70.8 | 5.2 | 76.0 |
| 果汁 | 54.8 | 0 | 54.8 | ||
| ドール | 与野フード | 全果 | 62.9 | 2.3 | 65.2 |
| 果汁 | 38.8 | 0 | 38.8 | ||
| 輸入レモン（黄色） | 神奈川 スーパー | 全果 | 47.4 | 4.1 | 43.3 |
| 果汁 | 38.0 | 0.2 | 37.8 | ||
| 輸入レモン（黄緑色） | 神奈川 スーパー | 全果 | 48.4 | 4.0 | 44.4 |
| 果汁 | 45.6 | 1.5 | 44.1 | ||
| 国産レモン（緑色） | 神奈川 | 全果 | 61.8 | 5.2 | 56.6 |
| 果汁 | 48.6 | 2.1 | 46.5 | ||
| 日本 | ダイエー | 全果 | 59.0 | 5.1 | 64.1 |
| 果汁 | 53.3 | 0 | 53.3 | ||
| 日本 | ダイエー | 全果 | 64.0 | 5.0 | 69.0 |
| 果汁 | 53.0 | 0 | 53.3 | ||
| 日本 | 大地の会 | 全果 | 60.7 | 9.8 | 70.5 |
| 果汁 | 50.5 | 0 | 50.5 |
解説
- 全果中ビタミンCで輸入品と国産品を比較するとビタミンC含有量はあまり変わりませんが（若干輸入品の方が多い）、果汁中ビタミンCで比較すると国産品はビタミンC含有量が多くなっていることがわかります（グラフ１,２参照）。つまりレモン全体のビタミンC含有量に大きな差はないが、国産品は全ビタミンCのうち果汁のビタミンCが高い割合をしめる特徴があることを示しています（グラフ３参照）。
- レモンを皮ごとむしゃむしゃ食べるという人なら、国産品・輸入品どちらを食べてもビタミンC摂取量の差はほとんどないと考えられますが、普通は果汁部分を食べますから、国産レモンを食べた方がビタミンCを多く摂取できるということになります。
- 輸入レモンは防腐・防虫のためポストハーベストをしていますので、皮（一部果肉も）にはイマザリル（データ：レモンの残留農薬参照）やOPP,TBZ,DPなどの農薬がかかっています。輸入レモンを皮ごと食べる場合にはこの点にも、意識が向いている必要があります。
関連データ
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